17社の適性検査データから見る、新規事業チーム構成の特徴

2022/04/20 古川 琢郎
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新規事業を行う際、強い思いを持つ旗振り役に続く2人目、3人目のメンバーをどのように選べばいいのでしょうか。そこで、成果を上げている新規事業チームの構成の特徴を調べるべく、適性検査『ミツカリ』協力の基、実証実験を行いました。

ミツカリは3,900社が導入している適性検査サービスで、総受験者数は約25万人に上ります。あらかじめ従業員に適性検査を受けてもらうことで、従業員データと比較しながら自社と採用候補者の相性を確認できるサービスを行っており、各企業ですでに働いている社員の適性検査結果を多数保持しています。

今回はその中から、ベンチャー企業の共同創業者および新規事業の立ち上げチーム17チームのデータを集め、メンバー構成の特徴を分析しました。

分析の結果

データ分析の結果、共同創業者および新規事業立ち上げチームのメンバー間のパーソナリティは、類似度が非常に高いことがわかりました。同じ会社で働いている人の類似度の平均が50%なのに対し、共同創業者および新規事業立ち上げチームのメンバー間では平均65%、中位では75%という数値でした。

図 創業者間の類似度

(出所)ミツカリ社の分析結果を踏まえ当社作成

具体的なパーソナリティを「チーム重視 / 個人重視の軸」「行動重視 / 思考重視の軸」でマッピングしたところ、17社中16社が「チーム重視」に、さらにそのうち7社は「思考重視×チーム重視」に分類されました。

図 創業者間の類似度

(出所)ミツカリ社のデータを元に当社で分析・作成

さらに細かく適性検査の各項目に着目すると、チームメンバー間で一致した方が良い要素とそうでない要素が見えてきました。

一致した方が良い要素としては「回避的」「敏感」といったリスク判断等の意思決定に関わる要素でした。これは、進むべきか進まざるべきかの判断がチーム内で近いことで、事業推進にスピード感が生まれるからと考えられます。一方でコミュニケーションのスタイルでは「論理重視」「思い重視」等、相反する要素を持つメンバーがいることによって、お互いに補完し合える効果があることも分かりました。

創業者間で適正検査における近い/近くない要素の特徴

図 創業者間の類似度

(出所)ミツカリ社のデータを元に当社で分析・作成

最後に

新規事業チームを活性化させるには、最適なチーム編成だけでなく、適切な権限の付与やベースとなる仕組み、ルールの整備も重要です。当社は多数の企業のコンサルティングを通じて得た知見を基に、新規事業チーム編成からチーム活性化まで総合的なご提案が可能です。新規事業の立ち上げをご検討の際は、ぜひ当社の専門家にご相談ください。

 

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執筆者

  • 古川 琢郎

    コンサルティング事業本部

    組織人事ビジネスユニット HR第3部

    シニアマネージャー

    古川 琢郎
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