女性活躍推進において日本型人事マネジメントが阻害するポイント

2013/04/30
女性活躍
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組織・人事戦略

企業の女性活躍推進のステージは、「1.募集・採用」「2.環境整備・就業継 続・職域拡大」「3.管理職登用」「4.経営層登用」の4つに大分される。2003 年の次世代育成支援対策推進法、2007年のワーク・ライフ・バランス憲章以降、 企業における女性活躍推進の概念は普及しており、特に「就業継続」に関する企業 の施策は整いつつある。しかしながら、日本の多くの企業や女性社員は、育児や介 護に配慮した「就業継続」に対する意識は高いものの、次のステージである「3. 管理職登用」や「4.経営層登用」のための施策が、まだ、あまり議論されていな い。「3.管理職登用」や「4.経営層登用」の実現には、これまでの制度や職場の サポートに頼ることが難しく、女性社員の能力向上のための機会提供やネットワー ク・インフラの整備等、さらに積極的な施策が必要となることを、企業は認識すべきだろう。

また、女性活躍推進を次のステージに進めるうえでは、「女性活躍推進」という局所的な対応では不十分であ り、全社的な人事マネジメントの仕組みとの整合性も考慮することが重要である。日本型人事マネジメントの 中には、「年功序列」「人事ローテーション」「あいまいな評価制度」「男性社員をモデルとした賃金設計」等、 女性社員の活躍推進を図るうえで不利益となる仕組みが根強く残っている。こうした構造的な問題は、活躍推 進担当者が部分的に施策を打っても変えられない。女性活躍推進の施策と、全社的な人事マネジメントの仕組みとの整合性の中で、どのような齟齬があるのか検証し、是正していくことが女性活躍推進を次のステージに 進めるうえで、非常に重要である。

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