2025/02/06
新しい産業の創造へ“半歩先”の開発がイノベーションを生み出す
次々とテクノロジーが生み出される現代。さまざまな産業が創造され、新しいマーケットが生み出され続けています。その中で、当社のフェローである渡邉は、多様なステークホルダーと連携しながら、テクノロジーや研究データを社会実装し「社会共創」するための取り組みを進めています。2024年4月には、「社会共創ビジネスユニット」を立ち上げ、その取り組みをさらに加速しています。今回は、渡邉の経歴に触れながら、「社会共創」にかける想いを語ります。
当社の強みを生かして事業開発に携わりたい
Q.もともと外資系コンサルティング会社に勤めていたと伺いました。当社に転職したきっかけを教えてください。
社会に貢献する事業開発に携わりたいと思ったのが転職を決めたきっかけです。私は、新潟県にある佐渡島で生まれ育ちました。佐渡島は、人口減少や高齢化など、いわゆる農村地域によくある社会課題を抱えています。前職で民間企業への経営コンサルティングを経験し、30歳の節目を迎えて自分のキャリアを見つめ直した時に、「地元をはじめとした地域社会に貢献できる事業開発に携わりたい」と思いました。当社であれば、さまざまなテーマについて調査・研究を行うシンクタンク機能と、事業開発や産業創造に強みを持つ三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)のネットワークを活用して、地方が抱える課題をはじめとしたさまざまな社会課題の解決ができるのではないかと考えました。
Q.入社してからはどのような経歴をたどってきたのでしょうか?
入社当初は、前職で培ったノウハウを生かして、大手企業向けの経営コンサルティングを担当しました。多くの企業の課題解決に携わる中で、「当社の強みを活用して、多様なマーケットを新たに生み出していきたい」という気持ちが徐々に強くなっていきました。そこで2017年に、社会課題を解決できる事業の創出を目的とした、イノベーション&インキュベーション室(現在はイノベーション&インキュベーション部。以下、I&I部)を立ち上げました。事業創出の活動が社会に少しずつ認められるようになり、2024年4月には、企業のグローバル市場参入・事業戦略支援や社会貢献事業を海外へ展開する「グローバルコンサルティング部」や、メディカル・ヘルスケア領域を専門とする「ヘルスケアコンサルティング室」と合わせて「社会共創ビジネスユニット」を設立し、現在はそのユニット長とI&I部の部長を兼任しています。
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“半歩先”が、さらにその先へ。未来のカタチを作り出す
Q.渡邉さんの思う当社の強みとは何ですか?
先述したように、シンクタンク機能とMUFGのネットワークの2つが当社の強みだと考えています。そして、その2つを生かして、社会課題解決や産業創造につながるインパクトの大きなプロジェクトに民間企業主体でチャレンジできることが、当社の特長と考えています。MUFGは、長年日本の金融を支えてきた信頼性と、全産業を俯瞰できる中立性を兼ね備えています。業界全体、ひいては日本全体がお客さまであると言っても過言ではありません。また、当社にはシンクタンク機能による分析・研究データが専門領域ごとにあり、各知見やノウハウに基づいて、複数の事業者や官公庁などのステークホルダーと連携することができます。つまり専門的な先端知識を活用して、民間企業主体でインパクトの大きなプロジェクトを実践できるのです。
Q.強みをさらに生かしていくために、I&I部を立ち上げたのですね。同部のテーマ「半歩先の新テーマ開発」に込めた想いを教えてください。
最先端のテクノロジーや研究データを社会実装していきたい、という想いを込めています。一般的に、マーケットを創造していくためには、3つのフェーズがあるとされています。アイデアやテーマを創出する「0から1」、その種を事業に進化させる「1から10」、進化した事業をさらに拡大させる「10から100」の3つです。I&I部では、特に2つ目の、テクノロジーや研究データによって作り出された事業を、経済性のある仕組みに落とし込み事業化することに注力しています。
最近当社が注力している宇宙産業で例を挙げると、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)や株式会社JTBと連携して、「宇宙」をテーマにしたまちづくり事業の推進[ 1 ]や、宇宙産業に注力している自治体と手を組み、地域活性化に向けたプロジェクトも進めています。宇宙産業を運営することによる労働人口の流入や、ブランド力強化による観光業の活性化など、総合的な観点から地域が持つ本来の価値を向上させる取り組みを実践しています。このように、民間企業や官公庁などと連携して、今ある技術・研究を“半歩先”につなげることがI&I部のテーマです。
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Q.今後、I&I部や社会共創ビジネスユニットで実現していきたいことはありますか?
私たちが力を入れているのは、社会課題解決だけではありません。社会貢献と経済性との両立を図り、持続可能な産業として成り立たせることが重要だと思っています。当社は、さまざまなネットワークを生かして、多種多様な視点から産業創造のきっかけを作ることができるため、この強みを生かす余地が十分にあると思っています。
そして、当社にはピュアに「社会を良くしていきたい」と思っている社員が多く在籍しています。一般的に、コンサルティング会社には、論理的思考を最優先する無機質で冷たいイメージがあるかもしれませんが、当社には、論理的思考の先に、シンクタンク部門を持つ当社ならではの、社会貢献に対する「想い」を持つ視座の高い社員が大勢います。このような仲間と環境に、これから先の大きな可能性を感じています。今後も、熱い想いを持つ皆さんと一緒に、半歩先の未来を変え、さらに何百歩、何千歩先の未来にイノベーションを起こしていきたいと思っています。
[ 1 ]当社ニュースリリース「MURCとJTB、宇宙産業参入支援に向けたサービスのトライアルを開始~『宇宙の街づくり』の支援を通じ、産業構造変革や関係人口の増大をめざす~(2023/08/24)」
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コンサルティング事業本部
社会共創ビジネスユニット イノベーション&インキュベーション部
フェロー(社会共創) ビジネスユニット長 部長 マネージング・ディレクター
渡邉 藤晴(わたなべ ふじはる)
profile外資系コンサルティング会社を経て、2013年に入社。2017年にイノベーション&インキュベーション室(現在はイノベーション&インキュベーション部)を立ち上げ、社会課題解決に資する未来予測や先進技術など、「半歩先の新テーマ開発」を担う部門の責任者を務める。IoTやロボティクス、AIといった先進技術を専門領域とし、その他にも、オープンイノベーションを活用したビジョンや成長戦略の策定など、幅広いテーマを担当。2024年4月に「社会共創ビジネスユニット」を立ち上げ、ユニット長に就任。同年6月、フェロー就任。
関連サービス
未来予測・バックキャスト・新産業戦略コンサルティング支援
経営計画、事業戦略、事業開発、ビジョン、IR、MVV
成長戦略/新規事業戦略
※所属・肩書は記事公開時点のものです
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