管理職・リーダー層が中心となる組織開発の活用例

2021/08/31 桶川 啓二、三村 宗充
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組織開発

企業が成長していくためには、人と組織の課題を解決し、継続して付加価値を創出していくことが欠かせません。その「人と組織の課題」を解決するためには、社員個人の能力向上を目指す人材開発に加えて、組織開発に取り組むことが有効です。組織開発とは、社員自らの行動変容により組織を良い方向へ変えていく取り組みであり、近年、話題になっている心理的安全性の醸成やリモートワーク下での協働といったテーマへの解決手法として注目されています。本コラムでは、人材開発と組織開発を対比したうえで、人と組織の課題解決に重要な役割を果たす管理職やリーダー層に対する組織開発の活用例について解説します。

人材開発と組織開発の対比

人材開発は、スキルや知識の習得によって、社員個人の能力向上を目指します。一方、組織開発は、対話やフィードバックによって、社員間の関係性の改善や相互作用の促進を目指します。

図 人材開発と組織開発の対比

(出所)当社作成

人材開発と組織開発は対立するものではなく、組み合わせることで、社員の能力向上を組織の力に昇華させることができます。そのためには、経営陣と現場をつなぐ役割を担う管理職層やリーダー層の行動変容が重要であり、この層へのアプローチが効果的です。

図 人材開発と組織開発の関係性

(出所)当社作成

組織開発の活用例1 対人関係改善のために自己肯定感、組織への信頼感を醸成する

対人関係の改善には、部下本人の自己効力感を高めながら、組織に対する信頼感を高めることが重要です。そのためには、部下へワンランク上の業務へ挑戦することを促し、上司をはじめとする周囲の協力や支援により成功体験を積ませることが効果的です。難しい業務を担ってもらうので、1対1のコミュニケーションの場を通じた協力や支援が不可欠であり、部下の育成につながる本質的な対話によって部下の自律的な行動が促進されます。これらのことを通し、部下は組織からのサポートを実感することができ、上司との信頼関係が構築され、対人関係が改善します。

組織開発の活用例2 組織力の向上のために管理職へ内省機会を提供する

組織力の向上には、社員が同じ方向に向かって協働していくことが欠かせません。そのためには、管理職が中心となって経営理念や上位戦略を周知・浸透させ、組織やチームが目指すべき方向に沿って施策を継続して実行できる状態にすることが肝要です。これらを実現するためには、目標の浸透やチームマネジメントに関する計画を策定することが効果的です。管理職は、自ら策定した計画を実践し、そのプロセスにおいて部門横断の対話型ワークショップによるフィードバックや外部からのアドバイスを受けることで、自身のマネジメントスタイルを内省し、マネジメント力を向上させていきます。チームマネジメントが改善されることで、組織に一体感が醸成され、組織力が向上します。

さいごに

管理職層やリーダー層に対する組織開発活用は、人と組織にまつわる課題を解決する効果的な方法です。三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、組織課題に合わせた研修やワークショップをゼロから企画・設計し、実行、モニタリングのご支援をしています。ご興味・ご関心がございましたら、ぜひご相談ください。

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執筆者

  • 桶川 啓二

    コンサルティング事業本部

    組織人事ビジネスユニット HR第4部

    ディレクター

    桶川 啓二
  • 三村 宗充

    コンサルティング事業本部

    組織人事ビジネスユニット HR第4部

    シニアマネージャー

    三村 宗充
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