地球温暖化に関する途上国の現状と課題
近年、京都議定書における第一約束期間が終了する2013年以降の温暖化対策に関する国際枠組みの構築に関する検討や、中長期的な将来における温室効果ガス削減目標の設定についての検討が急速に進展している。
将来の国際枠組みのあり方を検討する上での主要な論点として、開発途上国の問題がある。中国、インドのような大排出途上国における排出削減対策が非常に重要な問題であることは言うまでもないが、一概に途上国と言っても各国の事情は千差万別であり、途上国間で温室効果ガスの排出量、気候変動への対処能力等に大きな格差が生じているのが現状である。温室効果ガス排出削減に向けた国際枠組みに途上国全体を巻き込み、有効な気候変動対策を実施していくためには、小国も含めた各途上国の状況に目を向け、それぞれの国に対して有効な方策を実施しながら、国際社会全体として気候変動に取り組む機運を作っていく必要がある。特に、気候変動の悪影響を受けやすいと考えられている後発開発途上国や小島嶼開発途上国において、その影響を最小限にとどめるための適応活動をどのように実施していくべきか、また、温室効果ガスの大排出源となっている途上国における森林減少をどのようにして食い止めていくのかは、途上国において非常に重要な課題であると同時に、将来枠組みの検討において注目すべき論点である。
適応活動及び森林減少抑制を進めていくにあたり、多くの途上国は資金面や人材・組織体制面で問題を抱えている。気候変動に対する国際的な取り組みとして、途上国の適応策や森林減少抑制策の実施において先進国が積極的な支援を行うことは非常に大切である。
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