震災復興と首都機能のリスク分散
2011/10/01 清谷 康平
災害対策
災害
2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらすと同時に、エネルギー政策をはじめさまざまな視点から国の危機管理に対して警鐘を鳴らすこととなった。これまで東京に一極集中してきた国会や中央官庁、経済・金融等の「首都機能」についても、復興計画と並行した東北地方への移転や関西圏における副首都建設構想等、その在り方に関する見直し議論が再燃し始めている。
首都機能移転に関する議論は今に始まったものではない。本稿では、これまでの議論を振り返るとともに、議論の焦点が首都機能「移転」から首都機能の「分散」もしくは「バックアップ」という現実的な路線へと移っていることを述べる。首都機能移転は集中と分散が焦点となっていることから、昨今の中心的な問題である地方分権の流れの中でどのように位置づけられるかについても、あわせて論じられる必要があろう。われわれは、震災復興を一過性のものではなく、新しい地方の形を展望するものとして捉えるべきであると考える。
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