変革を続けよう!

2008/11/17 島崎 耕一
まちづくり
事業戦略
地域経済
地域産業

地域でのまちづくり活動や、自治体の業務改善運動などの行政改革、企業の経営品質向上活動など、地域や組織(まちづくり組織、自治体、企業)の変革をサポートする業務に携わっている。優れたリーダーシップのもと、多くの人の参加・協力により、アイデアあふれる活動が次々と実践され、地域や組織が変わっていく姿を、クライアントといっしょになって、目の当たりにすることができるのは大きな喜びであり、やりがいを大いに感じるところである。
しかし、どのような地域・組織であっても、時が経つにつれ、その高揚した状況を維持することは難しい。内外の環境変化もあって、地域・組織の関心・問題の所在が移っていくためだ。活動のマンネリ化がその兆候として現れる。また、リーダーや推進担当者の交代もその要因となる。一定の成果を得た取組を、そのまま維持することにこだわる必要はない。大切なことは、「変革」の成果や、それを通じて得た「財産」(成功体験、ネットワークなど)というバトンを、戦略的に次のステップに渡していくことである。
そのためには、地域や組織が、「将来、どうありたいのか」という将来ビジョンを描き、その実現に向けての変革のストーリーの中に、今行っている「変革」の取組(まちづくり活動、業務改善運動など)を位置づけることが重要である。また、地域や組織が「どうありたいのか」という将来像については、指標を用いて「見える化」しておくことが必須だ。航海における北極星のごとく高々と掲げるのである。それにより、なすべき課題は自ずから見えてくる。そして、当初の目標の達成・未達成に関わらず、一定期間ごとに、取組をシフトチェンジしていく。
規模が大きな組織や、有能な人材を引っ張ってこられる組織であれば、特定のリーダーシップを発揮できる人材を得ることは可能だろうが、限られた地域、組織の中で、そのような人物を継続的に得ることは不可能に近い。それぞれの時代にいる人材の中からリーダーを選び、そのリーダーシップの長所が最も発揮される方法で、バトンを受け継いでいくしかない。
また、地域や行政の活動において、他の地域と比較することは適当ではないという意見がある。そういう部分もあるとは思うが、「きのう」「きょう」「あした」という時間軸で比較することは可能だろう。「変革」を続けることにより、遠い将来の世代から感謝されるような取組が、私たちの世代からスタートし、一つでも多くのことが成し遂げられるように、これからも取り組んでいきたい。

図 変革のストーリーは描けていますか?

図 変革のストーリーは描けていますか?

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