中央経済工作会議の開催
2021年12月、中国で中央経済工作会議が開催された。同会議では、習近平総書記をはじめとする指導者が21年の経済情勢を総括し、22年の中国経済の運営方針を議論した。
2021年は、25年までの経済・社会運営方針を定めた第14次5ヵ年計画の初年度であったが、党中央の指導の下、好調なスタートを切ったと評価された。もっとも、需要縮小、供給ショック、弱気の予想という三重の圧力に直面しているとの認識を示すなど、指導部はコロナ禍や不動産業界の苦境といった中国経済が直面する下振れリスクを注視している。
このような現状認識を基に、22年の経済運営方針について、7つの重点政策が掲げられた(図表1)。また、共同富裕や脱炭素、燃料や食料といった一次産品の供給確保などについても、重要課題として列挙された。以下では、マクロ経済政策、共同富裕、脱炭素に焦点を絞って概説する。
図表1.2022年の経済運営の重点政策
重点政策 | 概要 |
---|---|
マクロ政策を穏健で有効なものに | 積極的な財政政策と穏健な金融政策 |
ミクロ政策で市場主体の活力を刺激 | 独占や不正競争の是正、知的財産権の保護強化 |
構造政策で国民経済の循環を円滑に | 供給制約の解消、製造業の競争力の向上、不動産業界の健全化 |
科学技術政策の着実な実行 | 産学研結合の深化、企業のイノベーション主体としての地位強化 |
改革開放政策で発展動力を刺激 | グローバル企業の対内投資促進、「一帯一路」の質の高い発展推進 |
地域政策で発展の均衡性・調和性の強化 | 農村振興の推進、新型都市化建設の質向上 |
社会政策で民生の最低ラインを守る | 柔軟な労働市場と社会保障政策の整備、高齢化への積極的な対応 |
(出所)新華社通信の報道をもとに三菱UFJリサーチ&コンサルティングが作成
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