中国の過剰生産問題は長期化が必至

2024/08/09 丸山 健太
調査レポート
海外マクロ経済
アジア
中国

1.欧米が中国の過剰生産を問題視

中国の過剰生産が欧米諸国から問題視されている。主に、鉄鋼や電気自動車(EV)、太陽光パネルなどが俎上に載せられ、補助金など中国政府の産業政策が市場の競争の歪みをもたらしているとの批判を招いている。具体的には、供給が過剰なためこれらの製品の国際価格が押し下げられているほか、低価格の中国製品が海外市場で不当に高い競争力を持つことで、現地企業が不利な競争にさらされ、収益を圧迫されているとして、欧米各国の不満につながっている。米国・バイデン大統領は、2024年5月中旬の演説で、中国の過剰生産が生み出した「不当に低価格な製品が、世界中の製造業を廃業に追い込んでいる」と批判した。

欧米からの批判に対し、中国の習近平総書記は、2024年5月初旬のフランス訪問の際、過剰生産問題の存在を否定したほか、李強首相は6月下旬のダボス会議で、①中国の供給は内需を満たすのみならず、全世界の供給を豊かにしている、②世界のインフレ圧力を緩和している、③気候変動対策に多大な貢献をしている、と反論した。

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