西バルカンの開発支援にシフトした中国の一帯一路戦略 ~問われるEU の拡大戦略のあり方~

2019/11/21 土田 陽介
調査レポート
海外マクロ経済

〇いわゆる「一帯一路」構想に基づき欧州への物流網の整備を進める中国が、西バルカン諸国の開発支援戦略に本腰を入れている。中東欧諸国との関係緊張が、この流れを後押ししている。

〇中国はまた、ギリシャを起点に西バルカン諸国を経由して中東欧や西欧につながる一大物流構想(バルカン・シルクロード構想)を描いており、これも西バルカン諸国への接近につながっている。

〇EUが西バルカン諸国で影響力を強めたいなら、無償資金協力も視野に入れた開発支援を推し進めていく必要がある。この動きが問うものは、むしろEUの拡大戦略のあり方にあると言えよう。

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