「エネルギー危機」を受けて注目されるECBの金融政策~金融緩和の修正が前倒しになる可能性

2021/10/08 土田 陽介
調査レポート
海外マクロ経済
  • ユーロ圏の消費者物価上昇率が13年ぶりの高水準になるなど、欧州ではインフレの加速に歯止めがかからない。背景には経済全体の需給の問題に加えて、エネルギー価格の高騰といった要因がある。
  • エネルギー価格の高騰は主に天然ガス価格の上昇に起因している。コロナ禍に伴う整備不良に加えて、EUが進める「脱炭素化」の流れが、天然ガスの価格の上昇につながっている。
  • 物価上昇の加速や高インフレの定着はかえって経済を不安定化させることから、ECBの想定以上に物価が強まった場合、ECBはテーパリングのペースを速めざるを得ないだろう。

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