通貨ルーブルの下落に歯止めがかからないロシア経済~非対称なマクロ経済政策を続ける限りルーブル相場の回復は見込みがたい
2023/08/17 土田 陽介
調査レポート
海外マクロ経済
金融
変化を捉える【経済】
- ロシアの通貨ルーブルの相場が下落している。ロシア中央銀行が公表するルーブルの対米ドルレートは、8月15日の終値で1ドル=101.04ルーブルとなり、年初来の下落率が40%を超えた。
- ルーブル安の主因は、貿易黒字(財収支黒字)の急減にあると考えられる。国際収支統計を確認すると、ロシアの貿易黒字は2022年4-6月期をピークに減少が続いている。
- 今のロシアでは、財政を拡張する一方で、金融を引き締めるという非対称なマクロ経済運営がなされている。これでは通貨の安定は見込みがたく、原油価格が急騰しない限り、ルーブルが回復する展望は描けない。
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