脚光を浴びるポーランド経済~好条件が揃い高成長が続く一方で、憂慮される人手不足問題~

2025/01/15 土田 陽介
調査レポート
海外マクロ経済
金融
  • ポーランド経済が脚光を浴びている。ポーランド経済の強みの一つに、安定的なFDI流入に支えられた工業力の強さがある。さらに近年のポーランドは、再エネ関連産業、具体的には水素産業が脚光を浴びており、多額の投資を引き寄せている。
  • 購買力を高めていることも、ポーランド経済の魅力の一つである。ポーランドの一人当たりGDPは、すでに日本の3分の2程度まで水準が上昇しており、実質労働コストで測った実質所得の水準も、2015年から24年の間に4割程度も増加している。
  • 加えて、短期的にポーランドの経済成長を押し上げると期待される要因として、①EUからの資金配分に基づくインフラ開発と②ウクライナ復興に伴う関連需要がある。反面でポーランドは、急激な人口減少と人手不足の問題を抱えており、人件費の急増に伴う競争力の低下に直面する可能性がある。
  • ポーランド経済が一段の成長を果たすためには、EUとの良好な関係の維持は必須である。また急増する需要に供給が応じるためには、外国人労働者の確保が不可欠となる。トゥスク現政権とEUの関係は良好な一方で、他の中東欧諸国との競争が激しさを増す中で、外国人労働者をどう確保していくかがポーランドには試されているといえよう。

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