9月8日に発表された2021年4~6月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比+0.5%(年率換算+1.9%)と、1次速報の同+0.3%(同+1.3%)から上方修正された。在庫投資、公共投資が下方修正されたものの、個人消費、設備投資、政府消費の上方修正幅が大きく、全体でも上方修正となった。ただし、より実感に近い名目GDP成長率は前期比+0.1%(年率換算+0.2%)から同-0.1%(同-0.5%)に下方修正され、2四半期連続でマイナスとなった。
今回の上方修正については、名目値が下方修正された一方、GDPデフレーターの下方修正幅がそれを上回ったことで実質値が押し上げられており、景気の実態としてはむしろ1次速報値より悪化したものと考えられる。
需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、家計関連では、個人消費が前期比+0.8%から同+0.9%に上方修正され、住宅投資は前期比+2.1%のまま据え置かれた。個人消費については、名目値は前期比+0.6%から同+0.2%に下方修正されており、実質値とは逆の動きとなった。名目値の下方修正については、これまで仮置きとなっていた6月の数字などが揃ったことで修正されたものである。一方、実質値については、個人消費デフレーターの下方修正(前期比で-0.3%から-0.8%に下方修正)によって押し上げられたものであり、これは元データとなる消費者物価指数が基準年の変更によって下落幅が拡大した影響を受けたものである。
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