2022年7~9月期のGDP(1次速報)結果~4四半期ぶりのマイナス成長に陥るも、緩やかな景気回復は維持されている~
11月15日に発表された2022年7~9月期の実質GDP成長率は、前期比-0.3%(年率換算-1.2%)と4四半期ぶりのマイナス成長に陥った。ただし、サービス輸入の大幅増加(報道などによれば、広告サービスの海外への支払いにおいて、支払い時期がずれたことに伴う一時的な要因とみられる)によって外需の前期比寄与度が-0.7%となったことが大きく、内需の前期比寄与度は+0.4%とプラスを維持しているなど、景気の緩やかな回復基調は維持されている。
需要項目ごとの動きをみていくと、内需のうち、個人消費は前期比+0.3%と4四半期連続で増加した。久し振りに行動制限のない夏休みを迎えたことや、経済社会活動の正常化の進展がプラス材料ではあったが、感染第7波の拡大による自粛の動きや、物価高によって伸び悩んだ。実質個人消費の内訳をみると、宿泊・飲食サービス、旅客輸送、レジャーといった対面型サービスへの需要の持ち直しが続き、サービスは前期比+0.3%と増加が続いた。また、人流増加を背景に半耐久財(被服・身の回り品など)も同+4.7%と順調に増加した。一方、耐久財(白物家電、自動車、通信機械など)は同-3.5%と落ち込み、非耐久消費財(食料、エネルギー、日用雑貨類など)は同+0.1%と小幅増加にとどまったが、いずれも価格上昇圧力が強まっており、物価上昇を受けた消費者マインドの悪化を反映して購入を控える動きが広がったと考えられる。
実質住宅投資は、住宅着工件数は横ばいとなっているものの、資材価格の上昇分の工事費への価格転嫁が遅れていることもあって、前期比-0.4%と5四半期連続でのマイナスとなった。ただし、マイナス幅は縮小しつつある。
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