2024年7~9月期のGDP(1次速報)結果~小幅の伸びにとどまるも個人消費が急増。景気の緩やかな持ち直しが続く~

2024/11/19 小林 真一郎
GDP統計
GDP
国内マクロ経済

11月15日に内閣府から公表された2024年7~9月期の実質GDP成長率(1次速報値)は、前期比+0.2%(前期比年率換算+0.9%)と小幅の伸びにとどまった。外需が3四半期連続でマイナスとなって足を引っ張ったが、内需は堅調に増加しており、景気は緩やかな持ち直しを続けている。

需要項目ごとの動きを見ていくと、内需のうち実質個人消費は前期比+0.9%と4~6月期の同+0.7%から伸び率が拡大した。個人消費については、①物価高による消費者マインドの悪化、②酷暑・大雨などの天候不順や南海トラフ地震への警戒によるレジャー・旅行などのサービス需要の抑制、③厳しい残暑による秋物衣料の販売不振、といったマイナス効果があった。その一方、プラス効果として、④6月からの定額減税開始、夏のボーナス増加、高い伸びとなった春闘賃上げ率の浸透といった所得増加、⑤生産回復を背景とした自動車の販売増、 ⑥清涼飲料水の販売増などの猛暑効果、天災への警戒を反映した飲料水・パック米などの備蓄需要の一時的な高まり、などが指摘でき、7~9月期においてはプラス効果の方がより大きかったようである。財別の動きを見ると、自動車や家電が含まれる耐久財が前期比+3.7%と2四半期連続で増加した一方で、秋物衣料の不振などで衣料・身の回り品などを含む半耐久財は同-2.8%と低迷した。

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