12月9日発表の2024年7～9月期の実質GDP成長率（2次速報）は、前期比＋0.3%と1次速報の同＋0.2%から上方修正されたが（年率換算では＋0.9%から＋1.2%）、修正幅はわずかであり、景気は引き続き緩やかに持ち直しているとの判断を変更する内容ではない。

需要項目別に1次速報からの修正状況をみていくと、家計関連では、実質個人消費が前期比＋0.9%から＋0.7%に下方修正されたが、堅調な結果であることに変わりはない。財別の内訳を見ると、自動車や家電が含まれる耐久財が前期比＋2.7%（同＋3.7%を下方修正）と2四半期連続で増加した一方で、秋物衣料の不振などで衣料・身の回り品などを含む半耐久財は同－2.3%（同－2.8%を上方修正）と低迷した。また、非耐久財（食料・エネルギー・日用品など）は同＋0.9%（修正なし）、サービスは同＋0.2％（修正なし）と底堅く推移した。

実質住宅投資は、住宅着工戸数は均してみれば横ばいにとどまっているが、落ち込みも一巡しつつあり、前期比＋0.4%（同－0.1%を上方修正）と小幅ながら2四半期連続でプラスとなった。

企業部門では、実質設備投資が前期比－0.1%（同－0.2%を上方修正）と減少したが、人手不足などを反映して企業の投資意欲は底堅いうえ、業績は好調を維持していることから、一時的な下振れであると考えられる。実質在庫投資は、前期に減少した反動もあって、前期比に対する寄与度は＋0.2%（同＋0.1%を上方修正）とプラスに転じた。

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