日銀短観(2021年3月調査)予測

2021/03/17 小林 真一郎、丸山 健太
日銀短観
国内マクロ経済
  • 4月1日に公表される日銀短観(2021年3月調査)の業況判断DI(最近)は、大企業製造業では、前回調査(2020年12月調査)から6ポイント改善の-4と、昨年末からの感染再拡大で改善ペースはやや鈍化するものの、コロナ禍の最悪期からの回復は続く見込みである。先行きは、ワクチン接種が進み、経済活動の再開が本格化することが期待され、6ポイント改善の2となろう。
  • 大企業非製造業の業況判断DI(最近)は-4と、前回調査から1ポイント改善すると予測する。感染再拡大により、家計向けのサービス関連業種で大きく悪化するも、それ以外の業種への影響は軽微で、全体としては小幅ながらも改善が続くとみられる。先行きについては、製造業と同様に、日本経済が感染症の影響から徐々に脱することが期待されることから、5ポイント改善の1となろう。
  • 中小企業の業況判断DI(最近)は、製造業では前回調査から1ポイント改善の-26に、非製造業では2ポイント悪化の-14になると予測する。先行きは、製造業で3ポイント改善の-23、非製造業でも3ポイント改善の-11となろう。中小企業は収益力が弱く、大企業と比べて外的ショックに脆弱であることから、足元の感染再拡大が業況の下振れをもたらすとみられる。
  • 2020年度の大企業設備投資計画は、例年のパターンを踏襲し、前回調査から製造業は下方修正、非製造業は横ばいとなろう。21年度の設備投資計画は、20年度の着地の弱さやウィズ/アフターコロナへの対応、20年度の投資の持ち越しを追い風に前年度から大幅な増加が見込まれる。

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