日銀短観(2021年6月調査)予測

2021/06/17 小林 真一郎、丸山 健太
日銀短観
国内マクロ経済
  • 7月1日に公表される日銀短観(2021年6月調査)の業況判断DI(最近)は、大企業製造業では、前回調査(2021年3月調査)から6ポイント改善の11と、ワクチン普及が先行する海外の需要を取り込んだ加工業種に牽引され、コロナ禍からの回復は続く見込みである。先行きは、国内でもワクチン接種が進み、内需が本格的に回復することが期待され、6ポイント改善の17となろう。
  • 大企業非製造業の業況判断DI(最近)は1と、前回調査から2ポイント改善すると予測する。ただし、3回目の緊急事態宣言の発出による対面型サービスでの悪化が重石となり、製造業との回復格差が目立つ結果となりそうだ。先行きについては、製造業と同様に、ワクチンの普及が、とりわけ対面型サービスの回復期待を喚起し、9ポイント改善の10となろう。
  • 中小企業の業況判断DI(最近)は、製造業では前回調査から5ポイント改善の-8に、非製造業では前回調査と同じ-11になると予測する。先行きは、製造業で5ポイント改善の-3、非製造業でも8ポイント改善の-3となろう。中小企業は収益力が弱く、大企業と比べて外的ショックに脆弱であることから、コロナ禍からの回復も緩やかに進むとみられる。
  • 2020年度の大企業設備投資計画は、すでにコロナ禍の影響は織り込み済みであることから、例年のパターンを踏襲し、製造業、非製造業ともに前回調査から下方修正となろう。21年度の設備投資計画は、例年通り、製造業、非製造業ともに上方修正が見込まれる。

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