日銀短観(2022年9月調査)予測

2022/09/14 小林 真一郎、丸山 健太
日銀短観
国内マクロ経済
  • 10月3日に公表される日銀短観(2022年9月調査)の業況判断DI(最近)は、大企業製造業で、前回調査(2022年6月調査)から2ポイント改善の11と、4四半期ぶりの改善が見込まれる。円安と資源価格高によるコスト上昇が多くの業種で企業収益を圧迫する一方、供給制約の緩和で自動車や機械類を中心に景況感の悪化に歯止めがかかり、改善に向かうとみられる。先行きは、加工業種を中心に供給制約の緩和継続が期待され、2ポイント改善の13となろう。
  • 大企業非製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査から2ポイント改善の15と予測する。3月以降、行動制限がない状況が続く中、対面型サービスを中心に改善が見込まれる。先行きは、感染第7波の収束で経済社会活動の更なる活発化が期待され、1ポイント改善の16となろう。
  • 中小企業の業況判断DI(最近)は、製造業で前回調査から1ポイント改善の-3に、非製造業でも前回調査から1ポイント改善の0になると予測する。先行きは、製造業で1ポイント改善の-2、非製造業では横ばいの0となろう。収益力が弱い中小企業では、大企業より改善は小幅にとどまるとみられる。
  • 2022年度の大企業設備投資計画は、例年のパターン通り、製造業、非製造業ともに前回調査からほとんど修正はみられないだろう。ウィズ/アフターコロナへの適応、DX推進、省力化投資、環境対応投資など、景気に左右されにくい投資を中心に、増加の投資計画が続こう。

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