大企業の業況判断は、製造業、非製造業ともに改善
本日発表された日銀短観(2023年6月調査)における大企業の業況判断DI(最近)は、製造業では7四半期ぶりの改善、非製造業では5四半期連続の改善となった。
大企業製造業は、前回調査(同年3月調査)から4ポイント改善の5となった。素材業種では、世界経済の減速による市況の悪化から化学では悪化が続いたものの、輸入価格の下落を受けて交易条件が改善に向かったことで、石油・石炭製品や紙 ・パルプを中心に前回調査から6ポイント改善した。また加工業種では、前回調査から3ポイントの改善となった。需要の落ち込みから生産にブレーキが掛かっている生産用機械や電気機械では悪化が続いたものの、価格転嫁が進む食料品や半導体不足の影響が緩和に向かっている自動車が大幅改善となり、全体を押し上げた。
大企業非製造業は、前回調査から3ポイント改善の23となり、2019年6月調査と同じ水準まで回復した。コロナ禍での経済活動に対する制約の解消が進む中、行楽需要が回復へ向かったことで、特に宿泊・飲食サービスの業況感が大きく改善した。
先行きについては、製造業では4ポイント改善の9が見込まれている。素材業種では原油価格の下落で交易条件の改善が見込まれる窯業・土石製品や繊維を中心に改善が続くほか、加工業種でも半導体不足の緩和が続く自動車を中心に業況感の改善が見込まれる。一方、非製造業では3ポイント悪化の20が見込まれている。原油価格の下落や電気料金の値上げがプラスに働く電気・ガスでは大幅改善が見込まれるものの、物価上昇によるコストの増加や需要の減少、人手不足の深刻化等への懸念から、非製造業全体では慎重な見方になっている。
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