大企業の業況判断は、製造業、非製造業ともに改善
本日発表された日銀短観(2023年9月調査)における大企業の業況判断DI(最近)は、製造業では2四半期連続の改善、非製造業では6四半期連続の改善となった。
大企業製造業は、前回調査(同年6月調査)から4ポイント改善の9となった。素材業種では、エネルギー価格の下落を受けた交易条件の改善等を受けて、窯業・土石製品等を中心に業況感は前回調査から6ポイント改善した。また加工業種も、前回調査から2ポイントの改善となった。需要の落ち込みから生産に弱さが残るはん用機械や生産用機械、電気機械等では悪化が続いたものの、価格転嫁が進む食料品や半導体不足の解消や円安によって自動車が改善し、全体を押し上げた。
大企業非製造業は、前回調査から4ポイント改善の27と、1991年11月調査以来の高水準となった。電気・ガスが原油価格の下落や電気料金の値上げにより大幅に改善したほか、コロナ禍での経済活動に対する制約の解消が進む中、行楽需要が回復へ向かったことやインバウンド需要が増加したことで、宿泊・飲食サービスや小売の業況感も改善した。
先行きについては、製造業では1ポイント改善の10が見込まれている。素材業種では引き続き交易条件の改善が総じて業況感の改善に寄与するとともに、加工業種では需要の持ち直しが期待される電気機械やはん用機械等を中心に業況感の改善が続くとの楽観的な見方となっている。一方、非製造業では6ポイント悪化の21が見込まれている。すでに業況感が歴史的に見て高い水準となる中で、物価上昇による需要の減少やコストの増加、人手不足の深刻化等による悪影響等が懸念されることから、非製造業全体では慎重な見方となっている。
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