日銀短観(2024年6月調査)結果

2024/07/01 藤田 隼平
日銀短観
国内マクロ経済

1.大企業の業況判断DI~製造業は改善、非製造業は悪化

本日発表された日銀短観(2024年6月調査)における大企業製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査から2ポイント改善の13となった。景況感の改善は2四半期ぶりで、景気の底堅さを示す結果となった。素材業種では、総じて市況が持ち直す中、業績の改善期待の高まりを受けて繊維や石油・石炭製品等を中心に景況感が改善した。また加工業種では、相次ぐ不正問題の影響で自動車の景況感は悪化したものの、堅調な設備投資需要に支えられて業務用機械等を中心に全体としては小幅に改善した。

大企業非製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査から1ポイント悪化の33となった。景況感の悪化は2020年6月調査以来4年ぶりだが、水準としては歴史的な高さにある。通信や運輸・郵便など一部の業種で景況感の改善が続いたものの、自動車の供給が滞った影響で販売に弱さが見られた小売や、人手不足が深刻な対個人サービス、宿泊・飲食サービス等で景況感が悪化し、全体を押し下げた。

先行きについて、業況判断DI(先行き)は、大企業製造業では1ポイント改善の14、大企業非製造業では6ポイント悪化の27となった。物価上昇による需要の抑制やコストの増加、人手不足の深刻化、自動車の認証不正問題の先行き不透明感等が企業マインドの重荷となり、製造業、非製造業ともに慎重な見通しとなっている。

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