1.大企業の業況判断DI~製造業は改善、非製造業は悪化だが、いずれも小幅
本日発表された日銀短観(2024年12月調査)における大企業製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査から1ポイント改善の14となった。2四半期連続の改善であり、製造業の業況の持ち直しを示す結果となった。素材業種では、総じて市況が堅調に推移する中、業績の改善期待の高まりを受けて石油・石炭製品、化学等を中心に改善した。一方、加工業種では、半導体需要の持ち直しや夏場の自然災害による下押しの解消等を受けて生産用機械や自動車は持ち直したものの、原材料価格の上昇を背景に食料品等が悪化し、全体では横ばいとなった。
大企業非製造業の業況判断DI(最近)は、前回調査から1ポイント悪化の33となった人手不足の深刻化や米価を中心としたコストの増加、秋口以降の温暖な天候を受けた季節商材の需要の弱さ等から、小売や宿泊・飲食サービス等を中心に2四半期ぶりの悪化となった。ただし、引き続きDIの水準は高く、不動産や運輸・郵便など需要回復を受けて改善する業種もあり、非製造業の業況が目立って悪化しているわけではない。
先行きについて、業況判断DI(先行き)は、大企業製造業では1ポイント悪化の13、大企業非製造業では5ポイント悪化の28となった。製造業では米国トランプ次期大統領による通商政策の不確実性の高まり、非製造業では人手不足の深刻化や金利上昇への警戒感等から、いずれも慎重な見通しとなっている。
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