I.コモディティ市況全般:4月中旬に下落傾向強まる
コモディティ市況は4月に入って下落傾向となった。特に4月中旬は、金相場が急落し、他のコモディティも連動して下落傾向となった。各資源の供給増により、市況は下落材料に反応しやすくなっているが、今後も世界景気の回復や資源需要の増加は続くと見込まれ、コモディティ市況全体は横ばい圏の推移となろう。
II.エネルギー市況: ブレント原油は下落して100ドル前後
2013年に入って、原油需要の増加観測が強まる局面があったが、足元では、世界景気が想定よりもやや下振れし、原油需要が伸び悩むとの懸念が生じており、原油市況に下落圧力がかかりやすくなった。国際指標とされるブレント原油は、当面、100ドル前後を中心とした推移が続くと見込まれる。
III.ベースメタル市況:銅市況は7,000ドル前後に下落
銅市況は大幅に下落した。4月中旬には一時6,800ドルまで下落し、足元は7,000ドル前後で推移している。需給が均衡状態に近いため、米中の減速懸念が影響しやすかったとみられる。今後は、中国など各国の製造業活動の拡大に伴って銅市況は上昇しやすくなるだろう。
IV.貴金属市況:金は1,400ドル前後に下落
金市況は、4月に入って下落傾向が強まり、中旬には一時1,400ドルを下回った。ファンドや中央銀行による金売却による需給悪化への懸念が強まった。もっとも、先進国の財政問題や通貨安懸念など金買いを促す要因は継続しており、当面、金市況は1,400ドル前後で一進一退が見込まれる。
V.トピック: 国際商品市況の急落の意味するところ
国際商品市況の下落は、世界景気減速を示唆しているのではないかという懸念が出ている。しかし、金や原油や銅の市況下落は、それぞれに固有の背景によるところが大きく、必ずしも世界景気の大幅減速を示唆するものではないと思われる。基調として景気の回復や資源需要の増加が続いていることが確認されるに伴って、銅など工業原材料の市況は持ち直していくと思われる。
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