I.コモディティ市況全般:国際商品市況は一進一退
コモディティ市況は、4月中旬に大幅下落した後、5月以降は一進一退で推移している。各コモディティをみると、需要は緩やかに増加する一方で、供給余力が大きいものが多く、市況は上値・下値とも限定的である。マクロ経済環境もバランスがとれており、コモディティ市況全体は横ばい圏の推移となろう。
II.エネルギー市況:ブレント原油は100ドル台前半を中心に推移
国際指標とされるブレント原油は、4月に96ドル近くまで下落した後、5~6月は100ドル台前半を中心に推移している。中国や欧州の景気は再加速感が出ず、景気が相対的に堅調な米国では燃費向上により石油需要は伸びていない。ブレント原油は、当面、100ドル前後を中心とした推移が続くと見込まれる。
III.ベースメタル市況:銅市況は7,100ドル前後で推移
銅市況は大幅に下落した。4月中旬には一時6,800ドルまで下落し、足元は7,100ドル前後で推移している。供給障害への懸念も生じたが、需要の下振れ観測もあり、市況の上値は抑えられた。今後、中国など各国の製造業活動が拡大してくると、市況は上昇しやすくなろう。
IV.貴金属市況:金は1,400ドル前後で一進一退
金市況は、4月中旬には一時1,320ドル近くまで下げた後、1,400ドル前後で推移している。米国の量的金融緩和から出口に向かうとの観測が根強い一方で、短期間に米国金利が大幅に上昇する事態も考えにくく、市況の上値・下値は限定的と思われる。当面、金市況は1,400ドル前後で一進一退が見込まれる。
V.トピック:原油価格の見通し
2013年後半以降には、アジアを中心に原油需要の増加ペースがやや速まるものの、供給力の増加により、原油市況の上値は限定的とみられる。ブレント原油は、100ドル前後を中心とした推移が続くと見込まれる。シェール革命の影響については様々な見解が交錯している。現時点では、北米において欧州やアジアよりも割安な価格でエネルギーや原材料を調達できるようになっている。
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