I.コモディティ市況全般:国際商品市況は一進一退
コモディティ市況は、5月以降、一進一退が続いている。6月後半には、FRBの資産買い入れ額の縮小などの思惑から、コモディティ全般が売られた。その後、持ち直し傾向が7月前半まで続いたものの、後半には原油や農産物を中心に下落した。もっとも、今後、世界景気の回復基調が強まれば、資源需要の増加基調に目が向けられる局面になるとみられ、市況が上向きに推移するコモディティが多くなると思われる。
II.エネルギー市況:ブレント原油は105~110ドルを中心に推移
国際指標とされるブレント原油は、7月前半に上昇した後、高止まりしている。景気が相対的に堅調な米国で石油需要の増加が目立つようになっている。もっとも、シェールオイルの増産やイラクの油田開発の進展を背景に更なる需給ひっ迫感は生じにくく、ブレント原油は105~110ドルを中心とした推移が続くだろう。
III.ベースメタル市況:銅市況は7,100ドル前後で推移
銅市況は、下落後に下げ止まった。6月中旬には一時6,600ドル近くまで下落した後、やや持ち直して、足元は7,000ドル前後で推移している。LME指定倉庫の在庫は7月以降、減少している。今後、各国の製造業活動が拡大してくると、市況は上昇しやすくなるだろう。
IV.貴金属市況:金は1,300ドル台に持ち直し
金市況は、6月後半には、一時1,200ドル割れにまで下落していたが、8月にかけて1,300ドル前後まで回復して推移している。FRBによる資産買い入れ縮小観測が根強い一方で、短期間に米国金利が大幅に上昇する事態も考えにくい。当面、金市況は1,300ドル前後で一進一退が見込まれる。
V.注目材料
エジプト情勢・・・エジプトでは、軍による事実上のクーデターが起こり、政治情勢が不安定な状況が続く。
イラン情勢・・・イランでは、選挙の結果、保守穏健派のロウハニ大統領が誕生した。
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