I.コモディティ市況全般: 国際商品市況は一進一退ながら下値を切り上げ
コモディティ市況は、一進一退ながら下値を切り上げる動きになっている。シリア内戦への軍事介入の回 避やイランと米国との対話など地政学的な緊張が緩和する動きがあり、原油や金の価格を抑制したとみら れるが、欧州や中国の景気持ち直しの動きが市況の持ち直しにつながった。当面、原油は地政学的な緊張 緩和の流れから下落しやすく、銅などベースメタルは世界景気の持ち直しの動きから上昇しやすいだろう。
II.エネルギー市況: ブレント原油は高値から下落して110 ドル前後で推移
ブレント原油の市況は、8 月下旬にかけて上昇した後、しばらく高止まりしていたが、10 月にかけてやや 下落して110 ドル前後で推移している。米国発の景気下振れリスクが後退したものの、供給増加や地政学 リスクの緩和を背景に上値を抑えられ、当面、105~110 ドルを中心とした推移が見込まれる。
III.ベースメタル市況: 銅市況は7,100~7,300 ドル前後を中心に一進一退
銅市況は、8 月中旬に7,400 ドル超まで回復した後、やや値を下げて、足元では7,100~7,300 ド ルを中心に推移している。中国や欧州の景気持ち直しの動きがある一方で、米国の財政協議の難航 が懸念材料となった。もっとも、6 月をボトムとした緩やかな相場上昇は今後も続くだろう
IV.貴金属市況:金は1,300 ドル前後を中心に一進一退
金市況は、8 月下旬に1,400 ドル台を回復した後、下落傾向となり、10 月に入って1,300 ドル前後で推 移している。足元の金相場は、テーマが絞りづらく、投機的な買いが集まりにくい状況とみられる。当面、 1,300 ドル前後を中心とした推移が続くと思われる。
V.トピック
ベースメタル市況の見通し・・・米国の財政協議では、ひとまず、妥協が成立し、不透明感の後退から、各国 景気の回復に伴った金属需要の増加観測がベースメタル市況の上昇につながりやすくなっている。もっとも、 市況の持ち直しペースは緩やかであり、品目によって異なった状況が予想される。
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