I.コモディティ市況全般: 3月に一進一退後、4月は上昇
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・ジェフリーズCRB指数は、上昇傾向で推移している。マクロ的な要因に加えて、ウクライナ情勢などの地政学要因や、インドネシアの禁輸措置やLME倉庫の規制改革の動向といった個別要因も相場変動の材料となっている。強弱様々な要因が混在しているが、世界景気が回復する中で、地政学要因も意識されるため、総じて言えば、やや上昇しやすい状況が続きそうだ。
II.エネルギー市況: ブレント原油は一進一退、WTI原油はやや上昇
ブレント原油の市況は、一進一退が続いている。ウクライナ情勢の緊迫化が押し上げ要因となる一方で、リビアからの原油輸出再開が押し下げ要因となり、一進一退が続きやすい。WTI原油については、ガソリン需要の増加観測を背景にやや上昇しやすくなっている。
III.ベースメタル市況: 銅市況は急落後、足元は 6,600~6,700ドル程度
銅市況は、3月上旬に急落し、その後、やや持ち直しているものの、低迷が続いている。中国を震源とする銅相場の急落は、中国における歪な産業構造と金融構造を背景とした銅への需要が剥落することで生じたものとみられる。先行き、世界景気の回復とともに銅市況は上昇すると見込まれる。
IV.貴金属市況:金は1,300ドル前後で一進一退
金市況は、12月後半をボトムに上昇に転じて3月中旬には一時1,390ドル超となった後、4月下旬にかけて1,300ドル前後で推移している。今後も、米国や中国の景気動向、FRBの金融政策、ウクライナ情勢などを材料に、金市況は1,300ドル前後を中心とした推移が見込まれる。
V.トピック
LMEの倉庫規制改革は実施見送りへ・・・3月27日に、英高等法院はUCルサールの主張を認める判決を下し、これを受けてLMEは4月1日から予定されていたLME指定倉庫の改革実施を見送ることを発表した。
リビアの原油の輸出・生産の動向・・・リビア政府と反政府武装勢力の対立により、同国の原油輸出は能力の1割程度に減少していたが、両者は4月6日に、石油輸出港4港の封鎖を段階的に解除することで合意した。
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