I.コモディティ市況全般: 11~12月は原油を中心に下落傾向が続く
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、6月下旬にかけて上昇した後、下落傾向で推移している。マクロ経済環境をみると、足元では、ギリシャ情勢の混乱や原油安に伴う産油国経済などへの悪影響が懸念されている。今後、米国を中心に世界経済の底堅さが確認されるとともにコモディティ市況は上昇に転じようが、原油を中心にコモディティ市況の反発力は弱いであろう。
II.エネルギー市況: OPEC総会を挟んで大幅下落
国際指標とされるブレント原油は下落傾向が続き、12月31日の終値は57.33ドルであった。1月に入っても、下落傾向は続き、13日には一時45.19ドルの安値をつけた。原油相場は、徐々に下値を固めつつあると思われるものの、上昇基調に転じさせる材料は見つけにくく、底ばい圏の動きが予想される。
III.ベースメタル市況: 銅は急落して、一時5,300ドル台
銅市況は、7月上旬に一時1トンあたり7,200ドル台まで上昇した後、下落傾向で推移しており、1月中旬には大幅下落して一時5,300ドル台をつけた。足元の急落は、一部のオプション取引などに伴って売りが急増したことによる面もあるとされる。今後の銅相場は、一進一退が見込まれる。
IV.貴金属市況:金は一進一退後に、一時1,240ドル台を回復
金市況は、11月上旬に一時1,130ドル台まで下落したものの、その後は変動を繰り返しながら持ち直し、1月に入って一時1,240ドル台を回復する動きとなった。今後も、米国と日欧の金融政策の方向性の違いからドル高が進みやすく、金相場の上値を押さえようが、世界景気の不透明感から下値は限定されよう。
V.トピック
原油価格は年央から持ち直しへ・・・当面の原油相場は、反転上昇する明確な材料は出てこず、底這い状態が続く可能性がある。こうした状況の中、いずれ原油相場を反転させる材料となってくるのは、米国のシェールオイルの減産であろう。年央あたりから、米国の原油生産量の減少が確認されるとともに、緩やかに原油相場は持ち直す動きが予想される。
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