I.コモディティ市況全般: 1~2月は下げ止まり後、反発力弱い
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、昨年6月下旬をピークに下落傾向で推移した後、小幅反発している。マクロ経済環境をみると、ギリシャ情勢の混乱や原油安に伴う産油国経済などへの悪影響が懸念された状況は一服している。今後、米国を中心に世界景気の底堅さが確認されるとともに、コモディティ市況は上昇するとみられるが、反発力は弱いであろう。
II.エネルギー市況: 下落後、やや持ち直し
国際指標とされるブレント原油は下落傾向が続き、1月13日には一時45.19ドルの安値をつけた。その後、反発に転じ、2月中旬以降は、60ドル前後で推移している。原油需給、米国の金融政策、OPECの動向など原油相場の決定要因は先行きが見通し難くなってきており、当面、一進一退の推移が見込まれる。
III.ベースメタル市況: 5,300ドル台の安値からやや持ち直し
銅市況は、1月中旬につけた5,300ドル台の安値から持ち直し、5,800~5,900ドル台で推移している。価格変動は大きかったものの、銅相場の需給に大きな変動はなく、今後の銅相場は、世界景気の持ち直しに合わせて緩やかな上昇傾向を辿るものと思われる。
IV.貴金属市況:金は上昇後、1,170ドル割れまで下落
金市況は、1月に入って上昇し、下旬には一時1,300ドル台となったが、それ以後は下落傾向で推移し、足元では1,170ドル前後となっている。ギリシャ問題や中国景気の不透明感が相場を支えるものの、米国の金融政策が利上げに向かう中で上値も限定的であろう。金市況はボックス圏の推移が見込まれる。
V.トピック
石油掘削リグの稼働数について・・・米国の石油掘削リグの稼働数は、3月6日に922基と昨年10月のピークに比べ、4割以上も減少している。一方で、米国の原油生産量は増加基調を続けており、1971年以来の高水準にある。米エネルギー情報局が3月9日に公表した”Drilling Productivity Report”は、シェールオイルの生産が盛んな地区で原油の生産量が鈍化する兆しを示した。もっとも、油田開発の実勢は掘削リグの減少にみられるほど鈍化しておらず、今後の原油生産量がどうなるかは、まだ不透明だといえそうだ。
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