I.コモディティ市況全般: 5~6月は原油やベースメタルが下落
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、今年3月中旬をボトムに反発していたが、5月中旬以降、頭打ちとなり、7月に入って下落幅が拡大した。コモディティ市況は、当面、世界景気の先行きに不透明感がある状況の中で一進一退が見込まれるが、その後は、世界景気の回復に合わせて、緩やかに上昇するだろう。
II.エネルギー市況: ギリシャ問題や中国株安を受けてブレント原油は60ドル割れ
国際指標とされるブレント原油は1月13日に45.19ドルの安値をつけた後、5月6日には69.63ドルに上昇したが、その後は、上値が重くなり、7月に入ると、60ドルを下回った。今後、世界景気の回復とともに、原油需給は緩やかに引き締まり、原油相場は上昇すると予想されるが、上昇ペースは緩やかだろう。
III.ベースメタル市況: 銅は下落して5,200ドル台
銅市況は、5月中旬にかけて6,400ドル台まで持ち直していたが、その後は、下落傾向で推移し、7月に入って一時5,200ドル台まで下落した。当面、ギリシャ情勢や中国株安への不安が続く中で、上値は抑えられようが、世界景気の腰折れは回避され、先行き、銅市況は緩やかに持ち直そう。
IV.貴金属市況: 金は下落して一時1,150ドルを下回る
金市況は、5月中旬に一時1,230ドル台まで上昇した後、下落傾向となり、7月に入って一時1,150ドルを下回った。引き続き、ギリシャ問題や中国景気の不透明感が相場を支えるものの、米国の金融政策が利上げに向かう中で上値も限定的であろう。金市況はボックス圏の推移が見込まれる。
V.トピック
最近の原油相場の下落について・・・ギリシャ情勢の混迷や中国の株安により、原油相場は下落幅を拡大した。もっとも、銅や鉄鉱石が年初来の安値を更新して下落したのに対して、原油(ブレント)は1月の安値に比べて、2割程度高い水準にとどまった。しかし、原油についても、決済期日が先の期先物(例えば、3年物)の価格をみると、7月に入ってからの下落局面で、年初来の安値を更新している。これは、先行き、原油価格が低迷を続けるという観測が強まっていることを意味する。
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