Ⅰ.コモディティ市況全般: 12~2月に下落後、3月は小反発
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、1月20日に一時2002年4月以来の低水準となった後、反発傾向で推移している。コモディティ市況は、目先、再下落する可能性があるが、その後は、世界景気の持ち直し観測とともに、緩やかに上昇するだろう。
Ⅱ.エネルギー市況: 原油はようやく下げ止まりの動き
国際指標とされるブレント原油は、1月20日には一時27.10ドルと2003年11月以来の安値をつけた後、3月中旬には一時42ドルまで回復したものの、上値は重い状況である。原油相場では、目先、横ばい圏で推移した後、緩慢ながらも世界経済が拡大し、原油需要も増加することを背景に、緩やかに上昇するだろう。
Ⅲ.ベースメタル市況: 銅は下落後、一時5,100ドル台に持ち直し
銅市況は、1月15日には4,318ドルと2009年5月以来の安値をつけた。その後は上昇に転じ、3月中旬には、5,100ドル台を回復した。目先の銅相場は一進一退が見込まれる。年後半になると、世界景気の緩やかな持ち直しが見込まれる中、銅相場も緩やかな上昇傾向で推移するとみられる。
Ⅳ.貴金属市況: 金は12月上旬をボトムに上昇
金市況は、昨年12月上旬に1,045.85ドルと2010年2月以来の安値をつけた後、上昇に転じ、3月中旬には1,282.51ドルまで上昇した。引き続き、米国の追加利上げのペースが市場の関心事であり、米国の金融政策を巡って金相場が変動する状態は続くだろう。金相場は、ボックス圏での推移が見込まれる。
Ⅴ.トピック
原油相場の見通しについて・・・ブレントやWTIの相場は、目先は、「増産凍結」を巡る思惑が交錯する中で、35~40ドル程度を中心とした推移が続くと見込まれる。その後は、緩やかながらも世界経済が拡大するのに合わせて原油需要も増加し、原油価格は緩やかに上昇するだろう。ただ上昇ペースは極めて緩やかで、価格の基調的な水準は2018年に入ってブレントで50ドル台に乗る程度にとどまろう。仮に急な反発があっても、機敏なシェールオイル開発業者による油田開発の再加速を招き、高値の維持は難しいと考えられる。
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