Ⅰ.コモディティ市況全般: 8月上旬にかけて下落、10月にかけて持ち直し
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、1月20日に一時2002年4月以来の低水準となった後、6月上旬にかけて上昇傾向で推移した。その後は、上値が重くなり、8月上旬にかけて下落した後、10月にかけて持ち直す動きとなっている。先行き、米金融政策、米大統領選、イタリア国民投票など不透明要因が多いものの、世界景気の持ち直し観測が継続する中、コモディティ相場は、基調としては、緩やかに上昇するだろう。
Ⅱ.エネルギー市況:OPECの減産合意を受けて、ブレントは一時53ドル超
国際指標とされるブレント原油は、1月20日に27.10ドルの安値をつけた後、上昇傾向で推移している。8月上旬には41.51ドルまで下落したものの、その後は再び上昇基調となり、10月10日には53.73ドルと2015年10月以来の高値をつけた。原油相場は、目先、一進一退が続いた後、OPECの減産の詳細やロシアなど非OPEC産油国との協調が明らかになれば、さらに上昇する可能性がある。もっとも、その後は、産油国による生産量抑制策の順守に対して懐疑的な見方が強まると思われ、相場は一時的に反落する可能性がある。
Ⅲ.ベースメタル市況: 一進一退で推移し、足元は4,700ドル前後
銅市況は、1月15日に4,318ドルと2009年5月以来の安値をつけた後、3月18日には一時5,131ドルまで上昇したが、その後は、4,500~5,000ドルを中心に比較的狭いレンジでの一進一退となっている。当面の銅相場は、引き続き、一進一退での推移が見込まれる。その後は、世界景気は緩やかな拡大傾向が続くと見込まれる中、銅相場は緩やかな上昇傾向で推移するとみられる。
Ⅳ.貴金属市況:金は1,300ドル台の推移が続いた後、10月に入り急落
金市況は、昨年12月上旬に1,045.85ドルと2010年2月以来の安値をつけた後、上昇に転じ、7月6日には1,374.91ドルまで上昇した。その後、1,300ドル台での推移が続いたが、10月に入ると、1,300ドルを割り込んだ。投資家のリスク志向が持ち直し、安全資産である金への需要が減退するとの思惑が生じたためとみられる。FRBによる年内の利上げが見送られれば、金は再び買い戻されるとみられるものの、上値は重いだろう。
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