コモディティ・レポート (2018年7~9月)

2018/10/24 芥田 知至
コモディティレポート
商品市況

Ⅰ.コモディティ市況全般:上値重い

ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、2016年1月20日にボトムをつけた後、2017年中盤まで頭打ちだったが、2018年5月22日には2015年7月以来の高値をつけた。その後、下落したが、足元はやや持ち直している。先行き、コモディティ相場の中長期的な上昇傾向は維持されるとみられるものの、上値は重い状態が続くだろう。

Ⅱ.エネルギー市況:ブレント原油は10月に86ドル台まで上昇

国際指標とされるブレント原油は、上昇傾向で推移し、2018年10月3日に一時86.74ドルと2014年10月以来の高値をつけた。米国の対イラン制裁が強材料だが、米中貿易摩擦やシェールオイル増産が弱材料となる。当面、原油相場は高止まりが続こうが、さらに上値を追う展開にはなりにくいだろう。

Ⅲ.ベースメタル市況:銅は8月に5,800ドル割れ後、足元は6,200ドル前後で推移

銅相場は、2018年6月7日に7,348.00ドルと2014年1月以来の高値をつけた後、8月15日には5,773ドルまで下落した。足元は6,200ドル前後に持ち直している。米中を中心とする貿易摩擦、英国のEU離脱、中東情勢など不透明要因は多いものの、世界景気の拡大を背景に、銅相場は緩やかな上昇傾向が見込まれる。

Ⅳ.貴金属市況:金は8月半ばの安値から持ち直して足元は1,200ドル台で推移

金相場は、2018年1月25日に1,366.07ドルまで持ち直し、4月頃まで高止まった後、下落傾向となり、8月16日には1,159.96ドルの安値をつけた。足元は1,230ドル前後で推移している。先行き、米利上げなどが弱材料だが、各種リスク要因が強材料視される可能性もあり、下値は限定的だろう。

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