コモディティ・レポート (2018年10~12月)

2019/01/18 芥田 知至
コモディティレポート
商品市況

Ⅰ.コモディティ市況全般:12月下旬に安値

ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、2018年5月22日に2015年7月以来の高値をつけた後、下落し、12月24日に2017年6月以来の安値をつけた。その後、足元にかけてやや持ち直している。世界景気の拡大傾向は続き、コモディティ相場は中長期的には上昇しようが、目先は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱が懸念材料となり、上値が重い展開が続くだろう。

Ⅱ.エネルギー市況:ブレント原油は12月下旬に50ドル割れ

国際指標とされるブレント原油は、2018年10月3日に86.74ドルの高値をつけた後、12月24日に49.93ドルの安値をつけた。その後、米中貿易協議の進展観測などから世界景気の減速や株安に対する過度の懸念が和らいでいるものの、懸念材料は残っており、さらに上値は重い展開が予想される。

Ⅲ.ベースメタル市況:銅は1月初旬に5,800ドル割れの安値

銅相場は、9月後半~12月前半は6,000ドル台を中心に推移していたが、1月3日には5,725ドルと2018年8月の安値を下回った。目先は、米欧中などの景気減速、米中の貿易摩擦や英国のEU離脱への懸念などにより弱含むが、その後は、世界景気とともに持ち直すことが予想される。

Ⅳ.貴金属市況:金は持ち直して1,300ドルに近付く

金相場は、8月16日に1,159.96ドルと2017年1月以来の安値をつけた後、上昇傾向となり、足元は1,290ドル前後で推移している。英国のEU離脱問題や米利上げペースの鈍化観測が支援材料だが、米中貿易摩擦が楽観視されると、下押し材料となる。金相場は下値が限定され、高止まりが続くと思われる。

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