コモディティ・レポート(2019年1~3月)

2019/04/24 芥田 知至
コモディティレポート
商品市況

Ⅰ.コモディティ市況全般:持ち直し傾向

ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、2018年5月22日に2015年7月以来の高値をつけた後、2018年12月24日に2017年6月以来の安値まで下落した。その後は、持ち直し傾向で推移している。米中貿易協議や英国のEU離脱の行方は不透明だが、世界景気の拡大傾向は続き、コモディティ相場は上昇傾向を維持しよう。

Ⅱ.エネルギー市況:ブレント原油は上昇傾向で推移して74ドル台

国際指標とされるブレント原油は、2018年12月24日に49.93ドルの安値をつけた後、2019年4月22日に74.52ドルまで上昇した。米政府がイラン産原油の禁輸措置強化を打ち出して押上げ材料になったものの、世界景気減速や協調減産継続への疑念など下押し材料は残っており、上値の重い展開が予想される。

Ⅲ.ベースメタル市況:銅は1月に5,800ドル割れ後、一時6,600ドル台まで回復

銅相場は、2019年1月3日に5,725ドルの安値をつけた後、持ち直し傾向となり、足元では一時6,600ドル台をつけた。しかし、ドル高や中国景気減速を勘案すると、足元の銅相場にはやや割高感があるようにも思える。いったんは銅相場が下落して割高感が調整される可能性がある。

Ⅳ.貴金属市況:金は1,350ドル近くからやや下落して1,300ドル割れに

金相場は、8月16日に1,159.96ドルと2017年1月以来の安値をつけた後、上昇傾向となり、2019年2月20日には1,346.73ドルをつけた。足元では、投資家のリスク志向が強まり、対照的に金はやや売られている。しかし、安全資産である金に対する需要は安定的で、金相場の下値は限定的であろう。

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