Ⅰ.コモディティ市況全般:2月に高値後、再び上昇の動き
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すロイター・コアコモディティーCRB指数は、2020年4月21日に現行指数で遡及できる1994年以降で最低を記録した後、2021年2月25日には2018年10月以来の高値をつけた。相場の押し上げ材料はすでにかなり織り込まれ、新型コロナ感染への懸念は残るものの、基本的には、原油や銅などコモディティ相場は世界景気回復とともに緩やかな上昇傾向が見込まれる。
Ⅱ.エネルギー市況:ブレントは71ドル台、WTIは68ドル近くまで上昇
国際指標とされるブレント原油は、2021年3月8日に71.38ドルと2020年1月以来の高値をつけた後、頭打ち傾向で推移している。今後の原油相場は、年後半にかけて経済正常化に伴って上昇が見込まれるが、当面は、上値は重い展開が続くだろう。
Ⅲ.ベースメタル市況:銅は2月に9,600ドル台と約10年ぶりの高値
銅相場は、2021年2月25日に9,617ドルと2011年8月以来の高値をつけた。銅は他のコモディティに比べても相場押し上げ材料が指摘されやすい。それでも多くの要因はすでに相場に織り込まれており、今後は上値が抑えられやすくなるだろう。
Ⅳ.貴金属市況:金は3月上旬に9カ月ぶりの安値
金相場は、2021年3月8日には1,676.10ドルと2020年6月以来の安値をつけた後、足元にかけて1,700ドル台後半とやや持ち直している。今後も経済正常化を背景とした長期金利上昇が弱材料となろうが、インフレやドル安に強い資産として金が買われる場面もあり、結果的に金相場は底堅い推移が見込まれる。
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