Ⅰ.コモディティ市況全般:9月下旬に7カ月ぶり安値
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すリフィニティブ・コアコモディティCRB指数は、2022年6月9日には2011年9月以来の高値をつけた後、9月26日には2月下旬以来の安値をつけた。中国のゼロコロナ政策による景気停滞や主要国での金融引き締めによる景気後退・資源需要減退が懸念され、コモディティ相場は下落傾向で推移している。当面、コモディティ相場は軟調な推移が続く可能性がある。
Ⅱ.エネルギー市況:9月下旬にブレントは83ドル台、WTIは76ドル台まで下落
国際指標とされるブレント原油は、3月上旬に2008年以来の高値をつけた後、9月下旬には83ドル台と1月中旬以来の安値をつけた。主要国の金融引き締めや中国のゼロコロナ政策が弱材料だが、ロシア産エネルギーの供給不安や産油国の協調減産に支えられ、景気後退懸念と原油高止まりが併存しやすいだろう。
Ⅲ.ベースメタル市況:銅は7月中旬に7,000ドル割れ後、足元は7,000ドル台
銅相場は、3月7日に10,845ドルと史上最高値を更新した後、7月15日には一時6,955ドルと2020年10月以来初めて7,000ドルを下回った。足元は7,000ドル台で推移している。米欧での金融引き締めや中国景気の不透明さが継続する中、銅相場は上値が重く、今後、弱含む展開も考えられる。
Ⅳ.貴金属市況:金相場は9月下旬に1,600ドル台前半と約2年半ぶりの安値
金相場は、3月8日には2069.89ドルと2020年8月の史上最高値に迫った後、9月28日には一時1,613.60ドルと2020年4月以来の安値をつけた。FRBの大幅利上げ継続が長期金利上昇やドル高につながりやすくなっており、金相場には逆風となろうが、一定の底堅さも見込まれるだろう。
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