Ⅰ.コモディティ市況全般:5月末に1年4カ月ぶり安値
ドル建て国際商品市況全般の動向を示すリフィニティブ・コアコモディティCRB指数は、2022年6月9日に2011年9月以来の高値をつけた後、低下して、一進一退となり、2023年5月31日には2022年1月以来の安値をつけた。米利上げ長期化観測の後退、中国の景気刺激策への期待、産油国の供給削減策が強材料だが、米欧中の景気が不透明であり、コモディティ相場は方向感を欠いた不安定な推移になりやすい。
Ⅱ.エネルギー市況:足元はブレントが80ドル弱、WTIが750ドル弱
国際指標とされるブレント原油は、2023年3月20日には70.12ドルと2021年12月以来の安値をつけたが、その後、やや持ち直している。産油国は追加の供給削減方針を示したが、米欧の利上げ継続姿勢や中国景気の停滞が重しとなった。先行きは、強弱材料が交錯する中、方向感のない推移になりやすいだろう。
Ⅲ.ベースメタル市況:銅は5月下旬に安値後、8,000ドル台を回復
銅相場は、2023年1月中旬に9,550ドルと2022年6月以来の高値をつけたが、5月下旬には7,867ドルと2022年11月以来の安値をつけた。足元は8,500ドル前後となっている。米利上げは最終局面との見方が強まっている一方で、最大消費国の中国の需要は力強さを欠き、銅相場は一進一退になりやすいだろう。
Ⅳ.貴金属市況:金相場は5月上旬に2,000ドル超と最高値に再接近後、一時1,900ドル割れ
金相場は、2022年3月8日に2,069ドルと史上最高値に迫った後、9月28日には一時1,613ドルと2020年4月以来の安値をつけたが、2023年5月4日には2,072ドルと再び最高値に迫った。その後、下落する場面もあったが、足元では、米利上げについて、7月で打ち止めとの見方から買い戻されている。
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