Ⅰ．コモディティ市況全般：9月中旬に11カ月ぶり高値

ドル建て国際商品市況全般の動向を示すリフィニティブ・コアコモディティCRB指数は、2022年6月9日に2011年9月以来の高値をつけた後、2023年5月31日には2022年1月以来の安値をつけた。その後、9月14日には11カ月ぶりの高値に持ち直した。ドル高や長期金利上昇が弱材料として意識された一方、中東情勢の緊迫化で原油が急伸する場面もあった。コモディティ相場は、強弱材料が交錯する中で、不安定な推移が見込まれる。

Ⅱ．エネルギー市況：9月下旬にブレントは97ドル台、WTIは95ドル台まで上昇

国際指標とされるブレント原油は、2023年3月20日に70.12ドルと2021年12月以来の安値をつけたが、9月28日には97.69ドルと2022年11月以来の高値をつけた。産油国の減産や底堅い米国景気が強材料だが、中国の不動産不況やドル高が弱材料だった。中東情勢も不透明であり、原油は不安定な推移が見込まれる。

Ⅲ．ベースメタル市況：銅は10月上旬に8,000ドル割れ

銅相場は、夏場以降、8,000ドル台で一進一退が続いていたが、10月上旬には8,000ドルを割れて5月下旬の安値に迫った。中国景気の下げ止まりの兆しが強材料だが、米政策金利の高止まり観測を背景としたドル高やLME在庫の積み上がりが弱材料。今後も銅相場は、米中の経済動向などを材料にもみ合いが見込まれる。

Ⅳ．貴金属市況：金は10月に1,800ドル近くまで下落後、1,900ドル台を回復

金相場は、2023年5月4日には2,072.19ドルと史上最高値に迫った後、下落傾向で推移し、10月6日には1,809.50ドルまで下落した。その後、急騰して足元は1,900ドル台を回復した。今後も米金融政策、中国の不動産問題、ウクライナ情勢、米国の政治混乱、中東情勢などを材料に、不安定ながらも底堅く推移するだろう。

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