【概況】~景気は持ち直しの動きが続くも、回復ペースは鈍化の兆し
・米国経済は持ち直している。7-9月の実質GDP成長率(速報値)は前期比年率+33.1%と、コロナ禍で急減速した前期からの反動もあり、統計開始以来最大の伸びを記録した。経済対策や経済活動の再開に伴い個人消費(同+40.7%)が大幅増加したほか、設備投資(同+20.3%)、住宅投資(同+59.3%)なども増加に転じた。
・もっとも、経済活動再開にともなう景気回復には鈍化の兆しもみられ、とりわけ、雇用の回復は緩慢なペースにとどまる。また、追加の景気対策の成立が遅れ、支援措置が失効する「財政の崖」が生じており、家計の所得減少や中小企業の資金繰り悪化が懸念される。さらに、新型コロナの新規感染者数が足元で再増加し、一部の州で経済活動の規制を再び強化しており、景気の回復ペースが一段と鈍化する懸念があることに注意が必要であろう。
・なお、大統領選挙では、野党民主党のバイデン前副大統領が、次期大統領に就任する見通しとなった。一方、同時に行われた議会選挙では、現時点で上院で共和党が過半数を維持し、いわゆる「ねじれ議会」になる可能性が高いと見込まれている。当面の焦点は政権移行に向けた動きであり、新政権の人事が注目される。
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