グラフで見る景気予報 (2022年4月)

2022/04/04 調査部
グラフで見る景気予報
国内マクロ経済

【今月の景気判断】

緊急事態宣言の発出と解除、新規感染数の増加と減少に合わせて経済活動の制限と緩和が繰り返される中、景気は緩やかに持ち直しているが、一部に弱さが見られる。外需においては、インバウンド需要は消失したままであるが、自動車の生産が回復してきたことで財の輸出は持ち直している。内需においては、雇用が緩やかに改善し、賃金が緩やかに増加する中、個人消費はオミクロン株の感染拡大を受けて多くの都道府県でまん延防止等重点措置が適用されたことで、年明け以降は持ち直しが一服している。一方、企業部門では、まん延防止等重点措置の適用や資源価格の急騰を背景に景況感が悪化しているが、業績の回復を背景に設備投資は緩やかに増加し、景気を下支えしている。こうした中で、生産は一部に弱さが残るものの、持ち直しの動きが見られる。今後は、まん延防止等重点措置が解除され、対面型サービスを中心に個人消費が持ち直すと期待されるうえ、大型の経済対策の効果が現れるため、景気の持ち直しは続こう。また、製造業を中心に企業の設備投資意欲は底堅く、引き続き景気の下支え効果が期待される。ただし、感染拡大防止と経済活動の両立を図る中で、景気回復のペースは緩やかとなる見込みである。また、ウクライナ危機の緊迫化が加わって資源価格が一段と上昇しており、消費者物価の上昇を通じて個人消費を悪化させ、企業業績の悪化を通じて設備投資を抑制することが懸念される。さらに、資源価格高、金利上昇によって世界経済が減速し、輸出が減少することが懸念され、春先以降の景気回復の勢いが削がれるリスクがある。

【今月の景気予報】

今月の景気予報2022年4月

【当面の注目材料】

  • ・新型コロナ関連~感染第6波収束後のリバウンドの動向、ワクチン接種の状況、経済活動と感染対策の両立の在り方
  • ・個人消費~感染第6波収束後のリベンジ消費の強さ、物価上昇の影響、春闘の賃上げを含む賃金動向
  • ・企業部門~ウクライナ情勢緊迫化によるコスト高の業績への影響、グローバルサプライチェーン停滞のリスク

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