グラフで見る景気予報 (2022年5月)

2022/05/10 調査部
グラフで見る景気予報
国内マクロ経済

【今月の景気判断】

オミクロン株の感染拡大が一服し、まん延防止等重点措置が解除されたことを受けて、ウクライナ情勢緊迫化、資源高による下振れが懸念される中、景気は緩やかに持ち直している。外需においては、インバウンド需要は消失したままであるが、需要が底堅い資本財や情報関連を中心に財の輸出は持ち直している。内需においては、雇用が緩やかに改善し、賃金が緩やかに増加する中、オミクロン株の感染拡大の一服を受けて、個人消費は外食や宿泊サービスを中心に持ち直しの動きがみられる。一方、企業部門では、まん延防止等重点措置の適用や資源価格の急騰を背景に景況感がいったん悪化しているが、業績の回復を背景に設備投資は緩やかに増加し、景気を下支えしている。こうした中で、生産には持ち直しの動きがみられる。今後は、対面型サービスを中心に個人消費の持ち直しの動きが続くと期待されるうえ、自動車の生産制約が徐々に解消に向かい、大型の経済対策の効果が現れるため、景気の持ち直しは続こう。また、製造業を中心に企業の設備投資意欲は底堅く、引き続き景気の下支え効果が期待される。ただし、感染拡大防止と経済活動の両立を図る中で、景気回復のペースは緩やかとなる見込みである。また、ウクライナ危機の緊迫化による資源価格上昇や日米金利差拡大を背景とした円安によって物価上昇圧力が高まっており、消費者物価の上昇を通じて個人消費を悪化させ、企業業績の悪化を通じて設備投資を抑制することが懸念される。さらに、資源価格高、金利上昇によって世界経済が減速し、輸出が減少することが懸念され、景気回復の勢いが削がれるリスクがある。

【今月の景気予報】

今月の景気予報2022年5月

【当面の注目材料】

  • ・新型コロナ関連~感染第6波収束後のリバウンドの動向、ワクチン接種の状況、経済活動と感染対策の両立の在り方
  • ・個人消費~感染第6波収束後のリベンジ消費の強さ、物価上昇の影響、夏のボーナスを含む賃金動向
  • ・企業部門~ウクライナ情勢緊迫化によるコスト高の業績への影響、グローバルサプライチェーン停滞のリスク

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