グラフで見る景気予報 (2022年6月)

2022/06/02 調査部
グラフで見る景気予報
国内マクロ経済

【今月の景気判断】

オミクロン株の感染拡大が一服し、まん延防止等重点措置が解除されたことを受けて、ウクライナ情勢緊迫化、資源高の影響による下振れが懸念される中、景気は緩やかに持ち直している。内需においては、雇用が緩やかに改善し、賃金が緩やかに増加する中、オミクロン株の感染拡大の一服を受けて、個人消費は外食や宿泊サービスを中心に持ち直しの動きがみられる。また、企業部門では、業績の回復を背景に設備投資は緩やかに増加し、景気を下支えしている。一方、外需においては、インバウンド需要は消失したままであるうえ、 上海のロックダウンなどによるサプライチェーン混乱の影響で輸出は減少している。こうした中、足元の生産には持ち直しの動きがみられるものの、先行きは下振れるリスクがある。今後は、対面型サービスを中心に個人消費の持ち直しの動きが続くと期待されるうえ、自動車の生産制約が徐々に解消に向かい、大型の経済対策の効果が現れるため、景気の持ち直しは続こう。また、製造業を中心に企業の設備投資意欲は底堅く、引き続き景気の下支え効果が期待される。ただし、感染拡大防止と経済活動の両立を図る中で、景気回復のペースは緩やかとなる見込みである。また、ウクライナ危機の緊迫化による資源価格上昇や日米金利差拡大を背景とした円安によって物価上昇圧力が高まっており、消費者物価の上昇を通じて個人消費を悪化させ、企業業績の悪化を通じて設備投資を抑制することが懸念される。さらに、資源価格高、金利上昇による世界経済の減速や上海のロックダウンの影響長期化によって輸出が減少することが懸念され、景気回復の勢いが削がれるリスクがある。

【今月の景気予報】

今月の景気予報2022年6月

【当面の注目材料】

  • ・新型コロナ関連~経済社会活動と感染対策の両立の在り方、入国制限緩和の動向
  • ・個人消費~感染第6波収束後のリベンジ消費の強さと持続性、物価上昇の影響、夏のボーナスを含む賃金動向
  • ・企業部門~ウクライナ情勢悪化によるコスト高の業績への影響、グローバルサプライチェーン停滞のリスク、人手不足

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