【今月の景気判断】
ウクライナ情勢悪化、資源価格の高騰による下振れが懸念される中、新型コロナウイルスの感染拡大が一服したことを受けて、景気は緩やかに持ち直している。内需においては、雇用が緩やかに改善し、賃金が緩やかに増加する中、個人消費は外食や宿泊サービスを中心に持ち直している。ただし、企業部門では、業績の回復傾向は維持されているものの、設備投資は横ばい圏での推移にとどまっている。また、外需においては、インバウンド需要は消失したままであるが、上海ロックダウンの影響が一巡したことで輸出は持ち直している。こうした中、足元の生産は自動車の生産制約の影響もあり、再び弱含んでいる。今後は、感染拡大防止と経済活動の両立が図られる中、感染状況の悪化や重症化リスクの後退を前提として、対面型サービスを中心に個人消費の持ち直しの動きが続くと期待されるうえ、自動車の生産制約や世界的な物流の混乱が徐々に解消に向かい、大型の経済対策の効果が現れるため、景気の持ち直しは続こう。また、製造業を中心に企業の設備投資意欲は底堅く、景気の下支え効果が期待される。ただし、ウクライナ危機の緊迫化による資源価格上昇や日米金利差拡大を背景とした円安によって物価上昇圧力が高まっており、消費者マインドの悪化、実質購買力の低下を通じて個人消費を悪化させ、企業業績の悪化を通じて設備投資を抑制することが懸念される。さらに、資源価格高の継続、金利上昇による世界経済の減速、世界的な物流の混乱の長期化や人手不足による供給制約などが懸念され、景気回復の勢いが削がれるリスクがある。
【今月の景気予報】
【当面の注目材料】
- ・新型コロナ関連~経済社会活動と感染対策の両立の在り方、県民割全国拡大など景気浮揚策、入国制限緩和の状況
- ・個人消費~物価上昇の影響、リベンジ消費の強さと持続性、夏のボーナスを含む賃金動向
- ・企業部門~ウクライナ情勢悪化によるコスト高の業績への影響、グローバルサプライチェーン停滞のリスク、人手不足
テーマ・タグから見つける
テーマ・タグから見つける
テーマを選択いただくと、該当するタグが表示され、レポート・コラムを絞り込むことができます。
テーマ
テーマ