○5月13日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の4月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は、前月差1.5ポイント上昇の52.5となった。5ヶ月連続で上昇しており、横ばいを示す50を3ヶ月連続で上回った。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、4月は、前月差3.5ポイント上昇の51.5となり、5ヶ月連続で上昇した。一方、企業動向関連と雇用関連からなるDIは、4月は、前月差2.1ポイント低下の54.6となり、5ヶ月ぶりに低下した(注1)。
○4月の先行き判断DIは、前月差3.0ポイント上昇の54.3となり、2ヶ月ぶりに上昇した。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、前月差4.7ポイント上昇の53.8となり2ヶ月ぶりに上昇した。企業動向関連・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは、前月と同水準の55.3となった。
○現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、4月は、前月差2.0ポイント上昇の51.0となり、3ヶ月連続で上昇した。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、前月差2.8ポイント上昇の47.5となり5ヶ月連続で上昇、企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは、前月差0.9ポイント上昇の57.9となり、2ヶ月ぶりに上昇した。
○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、賃上げへの期待や外国人観光需要への期待等がみられる」とまとめ、3月の判断を維持している。
(3月のまとめ)「景気は、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、賃上げへの期待や外国人観光需要への期待等がみられる」
○東海経済については、「景気は、緩やかな回復基調が続いている。ただ、企業動向・雇用関連にこのところ弱い動きが見られる。先行きについては、家計動向関連を中心に改善が見込まれている。物価の上昇や自動車関連の増税によるマイナスの影響は残るが、賃上げやボーナス増加への期待が高まっている」とまとめられる。
(3月のまとめ)「景気は、一部に弱さが残るものの、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、家計動向関連、企業動向・雇用関連ともに、全国にくらべ見方が慎重となっている。賃上げへの期待はあるものの、4月以降の物価の上昇や自動車関連の増税への懸念がみられる。」
○東海地区でも、家計動向関連の現状判断DIの改善が続き、4月は13ヶ月ぶりに50を上回り、一部に残っていた弱さが消えたと判断できる。一方で、2月まで順調に回復していた企業動向・雇用関連の現状判断DIが5ヶ月ぶりに低下したのはやや気がかりな材料である。
○景気の先行きについてのウォッチャーのコメントを読むと、ベースアップやボーナスの増加に対する期待が高まっている一方で、所得改善の動きが一部にとどまること、物価上昇による実質所得の減少などに対する懸念が続いている。
(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。
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