○7月8日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の6月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は前月差2.9ポイント低下の50.3と、横ばいを示す50を5ヶ月連続で上回ったが7ヶ月ぶりに低下した。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、6月は前月差4.4ポイント低下の48.8と、7ヶ月ぶりに低下し横ばいを示す50を下回った。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、6月は前月差0.2ポイント上昇の53.4と、4ヶ月ぶりに上昇した(注1)。
○6月の先行き判断DIは、前月差2.0 ポイント低下の52.7 と、横ばいを示す50 を3 ヶ月連続で上回ったが3 ヶ月ぶりに低下した。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは前月差3.6 ポイント低下の51.2 と、3 ヶ月ぶりに低下した。企業動向関連・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは前月差1.2 ポイント上昇の55.7 と、4 ヶ月ぶりに上昇した。
○現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、6月は前月差1.2ポイント低下の48.9と、2ヶ月連続で低下し中立を示す50を下回った。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは前月差1.4ポイント低下の46.3と、7ヶ月ぶりに低下、企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは前月差0.7ポイント低下の54.1と、2ヶ月連続で低下した。
○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、夏のボーナス、外国人観光需要、プレミアム付商品券への期待等がみられる」とまとめ、4月の判断を基本的に維持している。
(5月のまとめ)「景気は、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、夏のボーナス及び賃上げ、外国人観光需要への期待等がみられる」
○東海経済については、「景気は、緩やかな回復基調が一服している。企業動向・雇用関連の弱い動きが落ち着いてきたが、家計動向関連に弱い動きが見られる。先行きについては、企業動向・雇用関連に改善の兆しがある一方で、家計動向関連では見方が厳しくなっている。ボーナス増加への期待は続いているが、やや後退しており、原材料価格の上昇や物価の上昇に対する懸念が続いている。一方、伊勢志摩サミットやプレミアム付商品券への期待が出てきている」とまとめられる。
(5月のまとめ)「景気は、緩やかな回復基調が続いている。ただ、企業動向・雇用関連にこのところ弱い動きが見られる。先行きについては、家計動向関連を中心に改善が見込まれている。賃上げやボーナス増加への期待が続いている一方で、原材料価格の上昇や物価の上昇に対する懸念も続いている」
○全国の景気の現状判断DIが2ヶ月連続で悪化したのに続き、東海地区でも7ヶ月ぶりに悪化した。家計動向関連の現状判断DIが7ヶ月ぶりに悪化したことが影響している。一方で、2ヶ月連続で悪化していた企業動向・雇用関連の現状判断DIが小幅ながら上昇した。
○景気の先行きについてのウォッチャーのコメントを読むと、ボーナスの増加に対する期待が続いているが、すでに支給が始まっていることもあり、期待が後退している。また、円安も影響した原材料価格の上昇や物価上昇の影響に対する懸念が続いている。一方、プレミアム付商品券に加えて、伊勢志摩サミットへの期待が出てきている。
(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。
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