○8月10日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の7月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は前月差1.3ポイント上昇の51.6と2ヶ月ぶりに上昇し、横ばいを示す50を6ヶ月連続で上回った。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、7月は前月差1.7ポイント上昇の50.5と、2ヶ月ぶりに上昇し横ばいを示す50を上回った。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、7月は前月差0.2ポイント上昇の53.6と、2ヶ月連続で上昇した(注1)
○7月の先行き判断DIは、前月差1.6ポイント低下の51.1と2ヶ月連続で低下したが、横ばいを示す50を6ヶ月連続で上回った。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは前月差0.7ポイント低下の50.5と、2ヶ月連続で低下した。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは前月差3.4ポイント低下の52.3と、2ヶ月ぶりに低下した。
○現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、7月は前月差1.7ポイント上昇の50.6と、3ヶ月ぶりに上昇し中立を示す50を2ヶ月ぶりに上回った。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは前月差1.8ポイント上昇の48.1と、2ヶ月ぶりに上昇、企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは前月差1.2ポイント上昇の55.3と、3ヶ月ぶりに上昇した。
○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、観光需要、プレミアム付商品券への期待等がみられる」とまとめ、4月の判断を基本的に維持している。
(6月のまとめ)「景気は、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、物価上昇への懸念等がみられるものの、夏のボーナス、外国人観光需要、プレミアム付商品券への期待等がみられる」
○東海経済については、「景気は、緩やかな回復基調が一服している。先行きについては、家計動向関連、企業動向・雇用関連ともに見方が慎重になっている。伊勢志摩サミット、プレミアム付商品券への期待が続いているが、夏のボーナスへの期待は一巡した」とまとめられる。
(6月のまとめ)「景気は、緩やかな回復基調が一服している。企業動向・雇用関連の弱い動きが落ち着いてきたが、家計動向関連に弱い動きが見られる。先行きについては、企業動向・雇用関連に改善の兆しがある一方で、家計動向関連では見方が厳しくなっている。ボーナス増加への期待は続いているが、やや後退しており、原材料価格の上昇や物価の上昇に対する懸念が続いている。一方、伊勢志摩サミットやプレミアム付商品券への期待が出てきている」
○景気の現状判断DI、家計動向関連、企業動向・雇用関連ともに50を上回っており、いずれも前月比上昇している。しかし、家計動向関連は前月大きく低下した後の小幅な持ち直しであり、企業動向関連も4月、5月と低下した後、ほぼ横ばいで推移している。東海経済は春までの持ち直し動きが一服している状況と判断できる。
○景気の先行きについては、プレミアム付商品券、伊勢志摩サミットへの期待が続いているが、夏のボーナスの増加に対する期待が一巡しているため、見方が慎重になっている。原材料価格の上昇や物価上昇への懸念はやや後退して、インバウンド消費や大型連休となる秋のレジャー需要に対する期待も出ているが、中国など海外経済の減速懸念もある中、持ち直しへの期待をしっかりと持つのは難しいようだ。
(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。
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