○11月10日に内閣府が公表した「景気ウォッチャー調査」によると、東海地区の10月の現状判断DI(3ヶ月前と比較しての景気の現状に対する判断:各分野計)は前月差2.5ポイント上昇の48.3と3ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を3ヶ月連続で下回った。家計動向関連(小売、飲食、サービス、住宅関連)DIは、10月は同4.1ポイント上昇の48.8と、3ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を3ヶ月連続で下回った。企業動向関連と雇用関連からなるDIは、10月は同0.7ポイント低下の47.3と、3ヶ月連続で低下し、横ばいを示す50を3ヶ月連続で下回った(注1)。
○10月の先行き判断DIは、前月差2.5ポイント上昇の51.9と2ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を3ヶ月ぶりに上回った。また、家計動向関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは同4.8ポイント上昇の52.7と、2ヶ月連続で上昇し、横ばいを示す50を3ヶ月ぶりに上回った。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の先行き判断DIは同2.1ポイント低下の50.3と、2ヶ月ぶりに低下したが、横ばいを示す50を2ヶ月連続で上回った。
○現在の景気の水準自体に対する判断DI(各分野計)は、10月は前月差1.0ポイント上昇の47.6と、3ヶ月ぶりに上昇したが、中立を示す50を3ヶ月連続で下回った。家計動向関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは同4.3ポイント上昇の46.6と、2ヶ月ぶりに上昇したが、中立を示す50を下回る状況が続いている。企業動向・雇用関連のウォッチャーによる景気の水準自体に対する判断DIは同5.4ポイント低下の49.7と、2ヶ月ぶりに低下し、中立を示す50を11ヶ月ぶりに下回った。
○内閣府では、全国調査での景気ウォッチャーの見方として「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、冬のボーナスへの期待等がみられるものの、中国経済の情勢や物価上昇への懸念等がみられる」とまとめ、前月の判断を基本的に維持している。
(9月のまとめ)「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、プレミアム付商品券への期待等がみられるものの、中国経済の情勢や物価上昇への懸念等がみられる」
○東海経済については、「景気は、横ばい圏で推移しており、弱い動きが続いている。先行きについては、ボーナスの増加、自動車のニューモデル投入効果、伊勢志摩サミットの効果がプラス材料となる一方で、中国経済の減速も影響した輸出の伸び悩みが懸念材料となっている」とまとめられる。
(9月のまとめ)「景気は、横ばい圏で推移しており、弱い動きが続いている。先行きについては、中国経済の減速や世界的な株安に対する懸念はやや落ち着き、インバウンド消費、伊勢志摩サミットへの期待が続いているが、家計動向関連を中心に慎重な見方が続いている」
○景気の現状判断DIは3ヶ月ぶりに上昇したが、横ばいを示す50を3ヶ月連続で下回った。家計動向関連の現状判断も3ヶ月ぶりに上昇した。天候に恵まれたこともあって季節商品の需要が拡大し、上昇幅は大きかったが、3ヶ月連続で横ばいを示す50を下回った。一方、企業動向・雇用関連の現状判断は3ヶ月連続で低下し、3ヶ月連続で50を下回った。中国をはじめとする新興国景気の減速を背景に輸出が伸び悩みを続けていることがマインドに影響しているようだ。
○景気の先行き判断DIは、全体と家計動向関連で上昇が続いたが、企業動向・雇用関連では小幅ながら低下が続いている。家計動向関連では、インバウンド消費、伊勢志摩サミットなどへの期待が続き、冬のボーナス増加やニューモデル投入による乗用車販売の増加が期待されている。一方、企業動向関連では自動車の増産への期待があるものの、世界経済の減速による輸出の伸び悩みに対する懸念が強いようだ。
(注1)企業動向関連と雇用関連からなるDIは、内閣府HPに掲載されている地域別の各分野合計値から家計動向関連の値を除いた上で、「景気ウォッチャー調査」のDI算出方法に従って当社調査部にて試算した。
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